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  ホーム i*tem i*tem通信 長野県諏訪市立高島小学校 「授業」と「家庭学習」を結ぶ教材〜アイテム算数〜

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長野県諏訪市立高島小学校

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今回、諏訪市立高島小学校(脇坂隆夫校長)で開催された「諏訪市家庭学習の手引き(職員版)に準拠した授業改善のための公開授業研究」に参加してきました。同校では、今年度、アイテム算数を4年〜6年でご活用いただいています。授業と家庭学習のつなぎ方、その中で息づくアイテム算数について、植松航一郎教頭と授業者である大畑健二教諭にお話を伺いました。長野県諏訪市立高島小学校。
植松航一朗教頭先生へのインタビュー
「授業改善」と「家庭学習」
 

 高島小学校には今春赴任しましたが、前任校は同じ市内の湖南小学校におりました。諏訪市では以前から各校に「家庭学習の手引」がありましたが、市内教頭会の中で、各校の手引がどうも上手く活用されていない、という意見が多く出ていました。平成24年度後半から、学校間の垣根を取り払って情報交換を行いながら@諏訪市内どの学校でも力の付く家庭学習を展開できるA小学校の取組が中学校につながる、小中連携を図ることができるような「家庭学習の手引き」を目指すことになりました。過去に長野県教育委員会で指導主事を経験し、算数・数学の学習指導の手引書の作成に携わっていたこともありまして、見直すのであれば家庭学習の内容だけを見直すのではなく、家庭学習は「授業」から出発していますから、授業改善をしながら家庭学習へつなげていこう。家庭学習で得た成果や課題を授業に還元していこう、ということになりました。また保護者の方々にも、日々の授業内容を把握していただきながら家庭学習に協力してもらう方が効果はあるだろうということになりました。

 家庭学習の内容に固執して研究、改善をするよりも、子どもたちを取り巻く学びの環境全体を関係付けて改善を図る方が、結果として子どもの確かな学力の定着に結びつくということですね。まず市内教頭会で趣旨について協議し、協力を仰ぎながら手引きを作り、次年度から研究委員会を発足させました。研究会では、学校間で家庭学習ノートの情報交換をしたり、家庭学習とつながる授業を公開したりしました。参加した先生方がそれぞれの学校に帰って行ったときに、自ら実践したくなる環境づくり、研究会で学んだポイントを実際に授業の中に活かせる授業展開の仕組みの共通理解に心掛けました。研修講師の役割をお願いできるようにです。

アイテムは、具体的にはどのようにお使いになっているのでしょうか。
 

 「子どもたちが、数学的な考え方(もとになる考え方)を言葉にして共有し、活用して解が正しいことの理由を説明出来る授業」。「できる」ことを優先するのではなく、「わかる」からこそ「できる」と、実感を伴って理解できる授業が高島小の目指す授業です。子どもたちが「できる」「できない」を問題にする授業ではなく、「どうしてできたのか、意味は分からない…」を「自分で説明できたから、意味がよく分かった。どんな問題でも解けそう!」という授業にすることですね。今日の授業でも、「式はできたけどしっくりこない、な〜んかスッキリしない」と言ってずっと考え込み、悩んでいる子がいました。子どもたちが「できる」を目指すのではなく「わかる」を目指し、お互いの悩みを受け止めて、子どもたちが「分かり合う」授業。理由や根拠、きまりや法則に目を向けて、「なぜ、できたのか」について考え合うようになり、じっくりと腰を据えて考えるようになりました。本時の「かくれた数はいくつ」でも、「+の反対だから−」という演算決定だけでは納得せずに、「もらったんだから、ビデオを巻き戻して考えると、戻すことになる。だから、+の反対で−になるんだな」と、子どもたちが共有している。「ビデオを巻き戻して考える」という「もとになる考え方」を使って根拠を説明することができて初めて「すっきり!」とガッツポーズする。また、本時の子どもの姿のように、自分の考えや立てた式に対しても、「確かめ算をして、本当に問題とあっているのかはっきりさせたい」と確信がもてるまで追究しようとする姿が見られるようになりましたね。テストの点数が上がったということは勿論ですが、ひとり一人が「もとになる考え方」を使って、納得いく説明になるまで練り上げていく「追究」が板に付いてきたと思います。数学的な考え方を軸にした学び方が、子どもにとってしっくりくるものになり、「もとになる考え方」を発展的に活用していく授業が楽しくなってきた。お互いが「もとになる考え方」を使って分かり合える授業にしようという「まなび愛」が習慣化してきたことが一番の成果だと思います。

 「知識」をただ覚えるのではなく、子どもたちが生み出した「もとになる考え方」を使って「分かる」、「もとになる考え方」を使って、条件を加えたり、外したりした問題も説明したくなる。「もとになる考え方」を軸に、既習とつなげてどこまでも追究したくなるというクラスの算数の文化を創造しているんです。子どもたちは、「もとになる考え方」を生み出して共有すると、イメージや場面も共有出来るようになり、「あぁ、あれね!」と、操作や図を使って再現する力も伸びてきていると感じています。「もとになる考え方」を繰り返し活用していくことが、子どもたちの思考のすり合わせにつながっていると思いますね。

「アイテム」との関わり
 

 アイテム算数の特に文章題には「説明しましょう」「分かったことを書きましょう」という事実、手順、理由の説明を問う問題が多くあります。高島小では、この問題は授業とのつながりなくしては解けないんですね。だから、子どもたち自身、授業と家庭学習がここでつながっているという事がアイテムを使うとわかるんです。そして、なぜこの宿題(アイテム)が大事なのかという意義を、保護者の方に子たちが伝えています。授業と家庭学習をつなぐよい教材になっていると思います。また、子どもたちの理解の段階に合わせて選択して課題を出したりもしています。
 アイテムは他の教材に比べて文章問題が多いです。書いてあること(問題文)が何を問うているのかを要約できないと解けない問題があります。読むことが出来る教材にもなっているので、国語の読解力、社会の資料を読み解く力、理科の観察したことをまとめて比較し合う力等にもつながっていくと思います。他教科の基礎的・基本的な力を培うためのきっかけになる教材になっていると感じます。