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長野県諏訪市立高島小学校「はげみ学習」資料PDF




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大畑健二先生へのインタビュー。長野県諏訪市立高島小学校。
「思考力、判断力、表現力等のバランスのとれた育成」のために
 

 高島小学校での勤務は今年で4 年目になりました。諏訪市では数年前から各校に「家庭学習の手引」があり、授業改善と家庭学習の充実を図るための取組を続けてきました。今年度も「説明する算数的活動」を軸にした授業研究に取り組んできています。学習指導要領で言語活動が重要視されているからというだけの短絡的な理由からではありません。算数の授業を通して,既習の内容を活用して新しい知識や方法を生み出し,意味や考えを作っていく学習。算数的な根拠を明らかにし,筋道を立てて体系的に考えていく学習。友だちと相互に説明を補い合いながら問題を解決し,見方・考え方を広げていく学習。そんな算数の学習を目指しています。

 学習指導要領の改訂の基本的な考え方に示されている「思考力、判断力、表現力等のバランスのとれた育成」のために、一人一人が自分の考えを振り返って加除修正したことを書く学習活動が欠かせないと考えます。そこで、問題を解決することができた理由を説明するという算数的活動を大切に位置付けるようになりました。まず、学習課題の解決に向けて一人になって説明を書く場を設けます。次に、友だちと互いに説明を読み合う場を位置付けます。子どもたちは、「理由が分かりやすいなあ。」と思ったところにアンダーラインを引いたり、「この部分に、こんな算数の言葉を入れたら分かりやすいね。」と書き足したりして、ノートを交換して理由の説明を練り上げていきます。

 心がけていることは、繰り返し活用する数学的な考え方を子どもたちと共に言葉にして生み出し、クラスで共有することです。「前の授業のポイントは何だった?」「今日の学習を、もう一度、黒板を初めからじっくりと見て振り返ると…(間)今日のポイントは何かな。」など、授業の導入や終末で子どもたちに問いかけています。このように「もとになる考え方」を学び直したり、問うたりすることで自分の言葉として説明できるように支援します。数学的な考え方を子どもたちが言葉にして生み出し、共有したらノートに書き写す。この時が理由の説明をする準備が整ったときです。たとえば、「赤ちゃん分数(単位分数)のいくつ分で考える」「時間巻き戻し法(逆算)で見る」など、全員が説明に活用することによって、互いの考えをすり合わせることができます。すると子ども同士による対話を通して、「もとになる考え方」を根拠として位置付け、図などと対応させながら、結論に至るまでの説明を書くことができます。こうして、不足している部分を互いに補いながら簡潔明瞭な説明へと練り上げる姿を期待できるのです。そして、共同追究の前半では「もとになる考え方」を活用して、根拠がはっきりしている説明になるようにみんなで検討します。一方、後半では、問題文に新たな条件を加えて提示し、「もとになる考え方」を用いて、読み解く算数的活動を位置付けます。

家庭学習と授業をつなげる
 

 本日の授業も「説明する算数的活動」を意識して構想しました。前時は,問題文に合わせて教師の動作化と関係図を関連させながら,もとの数まで時間を巻き戻して考えれば解決できることを学習しました。しかし,時間を巻き戻して考えることと「逆算」との関係までには理解が深まりませんでした。本時は週末の宿題の確認からスタートしました。関係図を提示し「時間を巻き戻して考える」という「もとになる考え方」をキーワードとして板書し、児童のノートを紹介しました。「計算を反対にして考える」ことを全体で確認し,関係図をもとに順にもどして計算していく「逆算」の考え方の定着を図っていきたいと考えたからです。課題把握では,前時の学習を振り返り,本時も時系列で図にかいて整理すれば解決できそうだという見通しがもてるよう,問題文に合わせて教師の動作化を見せていきました。児童の表情や反応から,「時間を巻き戻して反対に考えれば,聞かれている『はじめにもらった数』まで戻る」を待ち受けましたが,つぶやきが出てこなかったので、「聞かれていることまで,時間を巻き戻してみるよ。」と教師の動作化を続け,「『計算を反対にして考える』というポイントも使えそうかな。」と投げかけてみました。共同追究では,式・言葉・関係図を関連させながら,複数名による説明の場を設けていきました。学級の中でお互いの考え方を受け止めたり推し量ったりしながら,問題を解決していく過程をみんなで協働し説明していく算数の学習を目指したいと考えているからです。また、授業のまとめを家庭学習でのスタートにするために、家庭学習の内容も考慮しました。本時の板書を掲載した学級通信を保護者に配布し,家庭学習と授業をつなげ、「数学的な見方・考え方」の活用が図られるようにしています。最近では、保護者の方も子どもの家庭学習ノートを見て考え方に着目して「あなたのその考え方素敵ね」「そういう考え方で解決できるのね」という声がけをしてくださっている家庭もあります。私の学級では、家庭学習は今日の学習ノートを開くところから始めようと取り組んでいます。

「授業」と「家庭学習」を結ぶアイテム算数
 

 このような授業改善への取り組みにはアイテム算数は欠かせない教材だと思っています。4年前に初めてアイテム算数を開いたとき「これは授業でも使えるな。」と思いました。教師の教材観を広げてくれたのもアイテム算数でした。活用する問題やチャレンジページには「説明しましょう」「分かったことを書きましょう」という事実、手順、理由の説明を問う問題があります。今,私たちが求めている授業改善に向けて,アイテム算数はとても必要な教材となっています。本校は全学級でアイテム算数を扱っています。基礎的基本的な問題と説明する算数的活動を取り入れた問題を組み合わせたりしながら,授業や家庭学習に取り入れています。学校としては昨年度から全学級で購入して取り組んでいます。「授業の『今日のポイント』を活用して、アイテムの○ページの問題をやってみよう」と課題にしたり、チャレンジ問題の中から一問選んで授業で扱かったりしています。

子どもの変容について
 

 私はどうしても教科書中心に「授業」を進めていくことが多いのですが,アイテム算数と出会い、まず教材観が大きく変わりました。教科書をさらに発展させた問題がアイテムには載っています。子どもたちは今まで教科書に準拠したドリルを使っていました。時間があれば比較的サラサラと解いてしまっていたんですね。アイテムはステップを追うごとに問題の難度が上がっていくので「この問題分からない!」という声が教室で上がるようになりました。今では「分からない問題がある」事が日常です。「分かって当たり前」ではなくなりました。「分からない」「これってどういうこと?」という困ったことや悩みを語り合いながら学習をしています。前学年のアイテムを長期休業(春休みや夏休み)に使うというのも、学び直し教材としてとても効果があると思っています。4年生になってからも3年生のアイテムを使って復習として取り組んでいくこともできますね。